しかし、1994年に2ndシングル“Make a Move”をリリース、1997年にレッドマンやメソッド・マンらと共に参加したLLクールJ“4, 3, 2, 1”での客演が高い評価を得る。
1998年には数多くの客演を経て、ヒット・シングル“Get At Me Dog”をフィーチャーした1stアルバム 『イッツ・ダーク&ヘル・イズ・ホット』(It's Dark And Hell Is Hot)をリリース。同作は、初登場で全米チャート首位の座を射止める。このことからシモンズは2pacと比較されるようになり、同作の売上は400万枚を超えた。またこの年、映画『Belly』でNasと共演、銀幕デビューを果たす。
翌1999年には2ndアルバム『フレッシュ・オブ・マイ・フレッシュ、ブラッド・オブ・マイ・ブラッド』(Flesh of My Flesh, Blood of My Blood)をリリース、初登場でチャート1位(最終的に本作はダブル・プラチナムになる)。 そしてラフ・ライダーズのコンピレーション『Ryde Or Die, Vol. 1』を挟み同年末、3rdアルバム『そして、Xが残った…』(...And Then There Was X)をドロップする。 3作連続での初登場1位を記録した同作からは“What's My Name”“Party Up(Up In Here)”のヒットを生み、同アルバムの売り上げは500万枚を突破する。
彼を取り巻く法的な状況(後述)が改善された2001年の3月には通算4作目のアルバム『ザ・グレート・ディプレッション』(The Great Depression)をリリース。瞬く間にトリプルプラチナムを獲得するが、前作と比較して商業的に成功したとは言い難く、評価も芳しくないものであった。
2003年には大ヒットシングル"Where Tha Hood At" , "Get it on the Floor"を収録した通算5作目のアルバム『グランド・チャンプ』(Grand Champ)をリリースする。今作によってDMXは史上唯一、デビュー作からアルバム5作連続チャート首位を手にしたアーティストとなった。発表後、彼は今作を最後にラッパーを引退する考えであることを公に述べた。
しかし2006年の1月、DMXは、かつて彼がキャリアの初期に"Born Loser"をリリースした、コロンビアレコードと契約する。彼はレーベルを替える間にかなりの遅延を重ねながらも次作を録音し、ついに2006年の8月1日(Year of the Dog...Again.)を発表する。 今作は100枚ほどの差でチャート首位を逃すこととなった。また彼はBusta Rhymesによる"Touch It"のリミックスにも客演し、さらに2曲のシングル"Lord Give Me A Sign" と "We In Here"を続けて発表した。グレイテスト・ヒッツ作品である"The Definition of X:The Pick of the Litter"が 2007年6月12日に、また2010年の1月26日には"Where the Hood At?" ,"X Gon' Give It to Ya"などのシングルのヒット作をフィーチャーしたコンピレーションアルバム"The Best of DMX"発売された。
2011年、彼の7作目となるアルバム作品"Redemption of the Beast"(仮称)が制作中であると報じられた。DMXはBillboard.comに対して、次作に向けて「ノンストップで毎日」制作中であり、年内の12月までにリリースする予定であると述べた。同年の9月24日、新曲"Last Hope" の動画がWEB上で公開されたが、この曲が新作アルバムに登場するかどうかは不明である。新作アルバム"Redemption of the Beastは12月6日に発売される予定である。
俳優として
前述のようにDMXは映画『Belly』でNas、 Method Man そしてT-Bozと共演し、俳優としてデビューした。 2000年には『ロミオ・マスト・ダイ』でジェット・リー や Aaliyah と共演。この映画が俳優としての彼の出世作となり、続く2つのアクション映画 『DENGEKI 電撃』(原題:Exit Wounds。スティーブン・セガールと共演)と『ブラック・ダイヤモンド』(原題:Cradle 2 the Grave。再びジェット・リーと共演)はヒット作となった。 しかし、これ以降Never Die Alone、 Last Hour、 Death Toll, Lockjaw: Rise of the Kulev Serpent、The Bleedingといったアクション映画に出演しているが、いずれの作品も商業的に失敗している。